海外協力隊でルワンダに来て約7ヶ月。
授業では React.js、Next.js、Laravel などを教えています。

しかし困ったことに、うちの学校にはネット環境がありません（正しくは“ある”けど、実質3KB/sくらい）。

なので「さあ Laravel を教えるぞ」となったとき、環境構築の手段がありませんでした。

仕方なく、これまでは私の iPhone からテザリングして、30〜40台のPCに1台ずつ Composer や PHP をインストールし、laravel new laravel-project を叩いていました。
もちろん3KB/sくらいでは laravel コマンドは実質使えません。

「どうにかしてネット環境なしで Laravel（というか、最新のモジュール）をインストールさせる方法はないか」と奮闘した結果、やっと構築できたので、ざっと紹介します。

共有ファイルの準備

まずはネットにつながっているPCで、Laravelのプロジェクトをインストールします。Composer で直接インストールしても、laravel new コマンドを使ってもOKです。

無事に vendor などが入ったプロジェクトができたら、それを ZIP 化します。

Laravel 12 は PHP 8.1 以上でないと動かないようなので、あわせて PHP などもダウンロードしておきます。
うちの学校のPCはすべて PHP 8.0 だったため、PHP 8.1 も配布用に準備しました。php.ini はpdo_mysql とopen_sslのモジュールをONにしておかないとLaravelは動かないようなので配布前に修正します。

自分のPCでLaravelサーバを起動

共有ファイルの準備ができたところでダウンロード済みの Laravel プロジェクトを使って、自分のPCでサーバを起動します。ここで普通に php artisan serve をすると外部からアクセスできないので、以下のようにします。

php artisan serve --host=0.0.0.0

これで同一ネットワーク内の端末から、母艦PCのIPアドレスを使ってアクセスできるようになります。

ローカルネットワーク構築

たまたま日本から TP-Link のハブを持ってきていたので、それを使用しました。（なかったとしても、PCをホットスポット化すれば代用可能。ただし10台までの制限があるので、ルーターを持ってきておいて本当によかった）

手順

ルーターの電源を入れ、自分のPCを接続（インターネットには繋がっていなくてOK）
生徒のPCも同じネットワークに接続
自分のPCのIPアドレスを確認（ipconfig など）
そのIPアドレスを生徒に共有し、ブラウザからアクセスさせます。例えばhttp://192.168.137.1の場合http://192.168.137.1:8000

これで、生徒たちのPCから自分の Laravel サーバにアクセスできるようになります。

例えば /download ディレクトリを作って Laravel を通じて必要なファイルをダウンロードさせれば、簡易的なファイル配布サーバとして機能します。

ファイルの共有自体はWindowsのファイル共有で行ったほうがスムースではあります。

必要なファイルをダウンロードさせた後、Laravelプロジェクト配下でおなじみの：

php artisan serve

をすれば生徒自身のLaravel府児ロジェクトを生徒のPCでサーバを立ち上げることができます。

これまで1台のPCに Laravel をインストールするのに1時間弱かかっていたので、この作業が不要になるのは本当にうれしいです。
学校ではよくPCがクリーンインストールされるので、そのたびに Laravel や React の環境構築をするのは、私の通信量的にも、時間的にもきついものでした。

ネット環境が安定しないけれど、最新のモジュールを教えなければならないという方は、ぜひ参考にしてみてください。